「ユニット折り紙 / モジュラー折り紙」や「くす玉折り紙」で、まとめ材を必要としないモデルの組み立て易さを表す値 (と、Mio さんが勝手に言っています)

"組み立て易さ" をどうやって計るかがポイントですが、

実際のところ、その作品を作るどのくらいの割合の人が、まとめ材の助けを借りたりせずに、ちゃっちゃと完成させることができるか

というところで表しています。

まとめ材 (ジョイニングマテリアル / joining materials) :「接着剤」「糸」「両面テープ」など、パーツ同士をつなげたり、まとめるために使われる素材、道具。
joining materials を直訳すると「接合材料」。たぶん。

まじめに解説

パーツたちを集めて「つなげる」「組み立てる」「まとめる」などの工程を持つ「ユニット折り紙 / モジュラー折り紙」や「くす玉折り紙」には大きく分けてふたつのモデルがあります。

ひとつは、

というように、「まとめ材」を使うモデルと、
もうひとつは

です。

「モジュラー率」は、この「まとめ材を用いなくても組み立てられるように設計されたモデル」について、その組み立てやすさを言っています。

origamio.com のサイトの中では、このまとめ材を用いなくても組み立てられるように設計されたモデルのことを「モジュラー折り紙」または「モジュラータイプ」と言っています。
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はじめ、「このモデルにまとめ材は必要ない」と決めるのは、おそらく創作者です。
作る前に数学的、幾何学的に計算して設計するでしょうし (Mio さんにはありえまへんが)、実際にその作品を作ったりして、まとめ材を用いないで組み立てられることを確かめるからです。(ひょっとしたら、確かめない凄腕の創作者もいるかもしれない !!!)

しかし、たとえ「まとめ材を用いなくても組み立てられるように設計されたモデル」でも、まとめ材を使うか使わないか (組み立て全体を通して使うか、ところどころある部分にだけ補助的に使うかなどを含めて) の最終的な判断 · 選択は、実のところ折り手にかかっています。

まとめ材が必要の無いモデルにまとめ材を使う理由

  1. 長期保存をするため、重力などに耐えられるように。
  2. どこかへ移動させるため、振動などに耐えられるように。
  3. 使った方が、はやく組み立てられる。やりやすい。などの効率性から。
  4. まとめ材があまったから。
  5. 組み立てられないから。

などなど。
まだほかにも色々あると思いますが、 モジュラー率がかかわってくるのは、5番の「組み立てられないから」です。

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なぜ組み立てられないか

答え 創作者と再現する人 (折り手) が違うから。

どういうことかと申しますと「創作者は組み立てられるが、折り手には組み立てられない」ということです。

さらに仰々しく説明いたします。

創作者は有利

創作者は、そのモデルを創作するときに、折り線の役割、パーツの構成、多面体の形に関することなど様様な情報を得ています。たとえば、パーツのどの部分に誤差が生じやすいか、形のどのあたりに圧力がかかりやすいか。などです。

そういう前情報があると、組み立てるときの全体的な流れをつかみやすいので、一般の折り手が作品を作るよりもはるかに有利だと言えます。

技術的、技能的な差

創作者と折り手との間に技術的、技能的な差がある場合、創作者が「よし。これはまとめ材は使わなくても組み立てられる」と思っても、折り手には「どがしたって、できん (鳥取弁 : どうしても出来ない)」という事態が生じます。

もともと、「まとめ材を使わずにパーツを組む」という作業は、少し難しい "手わざ" です。 特に折り手が、初心者、高齢者、ハンディキャップを持っている人などの場合は、組み立てが困難になりやすいと考えてもいいかもしれません。

なぜ組み立てられないか、たとえば「高齢者」の場合を検証してみる

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老若男女のいろーんな人1,000人のうちの誰もが、まとめ材を一切使わないで組み立てられるモジュラー作品。

というのをあれこれ想像してみますが、しかしそれは、Mio さんの感覚では、ほとんど無いような気がします。 作品を構成するパーツは、

人が紙を折り重ねてひとつひとつ拵えるものだから、不安定で当たり前なんだ。

と考えるからです。
実際に、作品のモジュラー率の数値を「だいたいこんなもんだろうなぁ」と、参考までに挙げてみました。
(念押し。Mio さんの感覚です)

モジュラー率がゼロとは、つまり、まとめ材を用いないでも組み立てられるよう設計されているはずなのに、誰一人、組み立てることのできない作品のことです。
origamio.com のくす玉たちの中には、しばしばそういう けったいなくす玉が生まれます。笑ってしまうことに、創作者の Mio さんでさえ組み立てることができません。

結局のところそれは「まとめ材を用いなくても組み立てられるように設計された、まとめ材を用いるモデル」という、すこぶる めんどうくさい説明の付く作品です。

Mio さんは、そういうモジュラー率のあるんだかないんだか、微妙なくす玉をまとめて フェイクユニット と、呼んでいます。
詳しくはこちらをどうぞ フェイクユニット

レポート : 2011年5月21日

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