ドバイ国際空港からトビリシ国際空港までは、約3時間30分くらいのフライト。
トビリシに着いたのは夜中の3時45分。ホストさんちにチェックインするのは午後13:00の予定。
いつものように、空港で時間をつぶすことに。
熱心なタクシーの運ちゃんを見ていて思うこと
どの国に行っても、空港で必ず聞かれること。それは、
「Taxi?(タクシー?)」
タクシーの運転手さんに、何度も聞かれる。
同じ人からも、違う人からも、どんなに断っても、何度も何度も何度も聞かれる。
ポーランド、アメリカ、ガテマラ、マレーシア…
この『タクシーの運転手さんに何度も声をかけられる現象』は、どこの国に行っても共通している。
海外のタクシーの運転手さんって、ほんとうにすごい。と思う。
断られても、断られても、何度でも交渉しようとする。
どんだけタフなんだ。
思い返してみると、車の中でおとなしくお客さんを待っているのは、日本だけじゃないだろうか。
逆に考えると、なぜ日本のタクシーは、お客さんが来るのをじっと車の中で待っているだけなんだろう。
で、日本でタクシーの運転手さんが客引きをしているところを想像してみた。→ やっぱ、日本じゃありえん。客も引くだろうな。
そんなことを考えていたら、あっと言う間に時間が過ぎた。
トビリシ国際空港から市内へ35GELは安い方
ホストさんの情報では”空港から部屋までは「Ibery」というタクシーで、30GEL(約1,246円)。だよ”と聞いていた。
なのでのんびり構えていたのだが、いざタクシーを拾おうとすると、この「Ibery」のタクシーがよく分からない。
空港のインフォメーションのお兄さんに訪ねてみると、
「”Ibery” は “Grab” や “Uber” と同じだよ。アプリで予約するんだ。」
みたいなことを言われた。
なんですと?
配車サービスのアプリかぁ。だったら電話番号とかが必要かもなぁ。
SIMカードが無い → アプリに登録が出来ない可能性アリ。
さてどうしようか。と、考えていると、ある一人のタクシーの運転手さんが 「Taxi?(タクシー?)」と寄ってきて、値段は「35GEL」。
その値段はとてもいい値段だよ。とインフォメーションのお兄さんも言う。
ホストさんから言われていた値段よりちょっと高いけど、アプリが使えるかどうか分からないし。ま、いいか。
と、彼のタクシーに乗ることにした。
時間がまだちょっと早かったので、タクシーの運転手さんに12時に。と伝えて少し時間をつぶすことに。
しかし、この運転手さん、時間が来るのを待っている間に、新しいお客さんを捕まえてどこかへ行ってしまった。
Ibery はアプリが必要なのか!?
約束をしていた運転手さんの帰りを待っている間も、「Taxi?(タクシー?)」と言ってくる運転手さんは次から次と出てくる。中でもひとりすんごく粘るおじさんがいた。
値段を聞いてみると「60GEL(約2,500円)」。
私は絶対無理。無理。と首を横にふった。
そしたらおじさんが「50GEL?」
いや、いや、無理っす。
私は約束をしていた運転手さんの値段「35GEL」を持っていたトビリシ観光のパンフレットに書き込んだ。
すると今度は運転手さんが「とんでもない」という顔と素振り。
おじさんは、どこかへ行ってしまった。
それにしても、約束していた運転手さんはどこまで行ってしまったんだろう。ちゃんと帰ってくるんだろうか。
時間はどんどん迫ってくる。
ふと、約束した運転手さんは帰ってこなさそうな気がした。
ボケっとしている場合じゃないな。
とりあえずアプリをインストールしてみよう。
しかし、Ibery と検索しても Google play の検索結果に出てこない。
ふたたびインフォメーションのお兄さんに尋ねてみた。
私のスマホをチェックしたお兄さんは、
「なぜか君の検索結果には出てこないね。」と不思議そうな顔。
するとお兄さんは機転をきかせて、似たようなアプリをインストールしてくれた。
だけど、残念ながら登録にはやっぱり自分の電話番号が必要だった。
SIMカード、買うかのぅ。
思案していると、さきほどの粘る運転手さんが 「40GEL?」 と言ってくる。
私は首を横に振った。
運転手さんは「40GELは最安値だよ」みたいな感じなリアクション。何度も 「40GEL」 を押してくる。
私も首を横に振り続けた。
実際、SIMカードを買って配車アプリを使い30GELでタクシーに乗るのと、40GELのタクシーに乗るのとでは、トータルで考えると40GELのタクシーに乗る方が安いはず。
しかし私の「真善美」はそんなところには無い。
35GELと言ってくれたタクシーが実際にあるんだ。それより高いタクシーに乗るのが嫌なんだな。
時間を確かめるとチェックイン30分前を切っていた。
あー、やばい。間に合わない。
「Madam, forty! (マダム、40GEL!)」
粘っている運転手さんを横に、とりあえずホストさんに連絡。
「I don’t use Ibery, because I can’t install the app. (Ibery が使えないよ。アプリがインストールできないから。)」
するとホストさんは、
「You don’t need app. You can catch it at the airport territory.(アプリのインストールは必要ないよ。エアポートエリアでタクシーを拾えるよ。)」
な、なぬ???
インフォメーションのお兄さんと言うことが違うではないか。
ますます意味がわからなくなった。
改めて空港の前を見てみても、そういうタクシーは見当たらない。
困ったな。
40GELの値段が30GELになった理由
35GELと言ってくれたタクシーの運転手さんは帰って来ない。
ホストさんの助言も当てにならない。
時間も無い。
さぁ、どがすっだぇ?(←鳥取弁:さぁ、どうするんだ?)
こたえ:
SIMカードを買って、配車サービスのアプリに登録、タクシーを拾う。
空港の到着ロビーにはSIMカードを売っているお店がたくさんあった。
プランもいろいろ。
さぁ、どのプランにしようか。時間が無いからとっとと決めてしまおう。
そう思いつつも、SIMカードのショップは数件ある。
軽く見比べてみよう。
SIMカードショップに足を向けたとき、あの粘る運転手さんの声。
「Madam, thirty! (マダム、30GEL!)」
ん!?
30GEL? 一体、どうしたんだ??
運転手さんはもうひとり中年の女性の乗客を連れてきていて、私に説明をはじめる。
彼の言ってることはよくわからない(←英語がなまり過ぎていて、よく分からない)が、どうやら相乗りでということらしい。
「Madam, thirty, Okay?? (マダム、30GEL, オッケー??)」
と言うと、私のスーツケースを手にとって、どんどん進んで行ってしまう。
私は慌てて彼の後を追いかけた。
オッケー? と聞きつつ、私の返事を聞く気は全く無いらしい。
おじさんはスーツケースをガラガラ押しながら、どうしてそんなに急いでいるんだ!?というくらい、すんげぇ速さで歩いていく。
私は小走りでついて行くのに必死。隣を見ると相乗りの女性も小走りになっていた。
この時点で私の「こたえ」のプランはどこかに吹き飛んでいた。
神さまが、
「うだうだやっている暇なんてどこにもねぇ!!とにかく急げっ!!」
と言っているっぽかった。
みんな天使
相乗りした女性はアメリカのコロラド州から来た。と言っていた。トビリシには2週間滞在予定らしい。
彼女は宿泊のホテルでタクシーを降りた。30GELを運転手さんに払っていた。そして私の行きたいホストさんちは彼女のホテルと目と鼻の先だった。
なるほど。と思った。
彼女も30GEL。私も30GEL。タクシーの運転手さんが手にしたのは60GEL。ふたつの場所は距離的にとっても近かったし、使ったガソリンもそんなに変わらないはず。
みんな、”win-win” って訳だ。
それにしても「普通のタクシーで乗り合いタクシー」という荒業。
すごいタイミングで同じ方向の乗客が現れたもんだと思ったし、そして、運転手さんもよくその人を捕まえたもんだな。と思う。また、その女性もよく相乗りを承諾したな。とも思った。
みんな天使だな。と思った。
チェックイン時間に遅れること30分。タクシーは無事にホストさんちに到着。
ホストさんは寒い中、私が来るのを外で待ってくれていた。遅れたことには何も触れず、私を笑顔で出迎えてくれた。
ホストさんもまた天使だな。と思った。
あとで、空港から市街地までのタクシーの相場を調べてみた(←先に調べろってな)。
驚くことに、どうやら15〜25GELくらいなのらしい。30GELでも高かったっちゅうことのようだ。
まぁ、ホストさんからの情報だったしな。別にいいや。