作品をデコレーションパーツで飾るときは、「ひとつのパーツにひとつのデコレーションパーツ」というケースと、「くすだま全体でいくつかのデコレーションパーツ」というケースがあります。後者の場合、デコレーションパーツの数で作品の印象が変わるので、試作の段階でかなり遊び倒します。
例えば、「ふすま」の場合ではこんな感じ。
ふすまは 12 枚でくすだまになる作品です。基本になる多面体は斜方立方八面体。正方形の場所が 18 か所、三角形の場所が 8 か所あります。
このふすまをロージーローズで飾ってみます。
とりあえず、ふすまのパーツひとつひとつに、ロージーローズを埋め込んでみました。ふすまのパーツの数は 12 なので、ロージーローズも 12 個使っています。
「ふすま = ロージーローズ = 12」です。
ふすまとロージーローズをつなぐまとめ材は、接着剤です。
ロージーローズは花の大きさが決まっていないというかなり適当な作品。ねじり具合を調節して、まだまだ花の数を増やせそうです。
次は、多面体の正方形の場所をロージーローズで埋めてみました。
正方形は全部で 18 か所あるので、ロージーローズも 18 個です。
三角形の場所はちょっといじってみて、塞いでいます。
さらに花の数を増やしてみました。
すべてのすきまを埋めています。すきまは、多面体を構成する多角形の数だけあります。つまり四角形 18 と、三角形 8 個で、合計 26 。ロージーローズも 26 個です。
三角形を埋めるロージーローズの色はベージュです。
かなり花が密集している感じです。
ふすまの存在はどこへやら。
花を大きく見せたかったのと、すっきりした色合いにしたかったので、採用したのは一番初めの 「ふすま = ロージーローズ = 12」です。
これはいたって好みの問題。
おりがみ教室では、すべての隙間を埋める「すきま = ロージーローズ = 26」が人気で、たいていの方がこのタイプを作っておられました。
ふすまを見つめていると、形がおしゃべりをしていました。ほぅほぅ。ふむふむ。と、聴いて試してみると、おおおおぉぉ !
「ふすま ver.フレーベルのベルフラワー」という作品は、フレーベルのベルフラワーをデコレーションパーツとするためにふすまを作ったのではなく、ふすまを作ったところ、たまたまフレーベルのベルフラワーがフィットしたという偶然の産物です。
すっかり納得したので、試作は、ふすまにフレーベルのベルフラワー (の、へなちょこバーション) をひとつつなげたこの段階で終わり。さっさと本作を作りました。
ふすま ver.フレーベルのベルフラワー