「折る」と似たような言葉に、「畳む」というのもあります。折り紙を折っているときにも、しらずしらずに出てきてちゃっかり活躍しています。単独で登場する時もあれば「折り畳む」のように、「折る」と仲良くくっついている時もあります。「畳む」についてしばしぼんやりと耽りました。
たとえば「折り紙を折る」と「折り紙を畳む」、「ナプキンを折る」と「ナプキンを畳む」。比べてみるとやっぱりちょっと違います。さらに、「袖を折る」と「袖を畳む」では、ずいぶん意味が違ってきますし、「ページの端をちょっと折る」ことはできても「ページの端をちょっと畳む」ことはできません。力を加えて形を変形させる時の「畳む」という行為は、「折る」とはずいぶん違った個性があるようです。
「畳む」という行為には、「力を加える前のモノの形」に「折る」時のような「細くて長い」や「平べったくて薄い」のなどの制限が無いように思います。その行為の鍵になるのは、ズバリ !!「形の量の変化」だと推測します。具体的には、面積や表面積、立体空間の量など、全体が「大」から「小」への変化です。「力を加える前のモノの形」に これといった制限がないので、「力を加えた後の形」も千差万別です。
「折る」と同じように、「畳む」動作によってできるモノの形のその部分が「ひとつか、またはいくつか重なる」という感じがします。
「畳む」という行為には、「大」から「小」への変化で、なんとなく、収納する。しまう。おさめる。というようなニュアンスをまとっているようなものが多いような気がします。そのせいか、時々「畳む」と表現しただけで、モノを大切にしているような、そんな感触があります。
「折る」場合、そのあと、力を加える前の元の形に戻すかどうかはたいして気にしていないような感じですが、「畳む」場合は、元の形に戻されるかもしれないことが初めから想定されている気がします。そして元に戻した後、再び、畳んだりすることも抵抗がありません。
「形の量の変化」は非常におもしろい特徴です。モノが「大」から「小」になるとは、どういうことか。もう少し時間をかけてみます。
「大」から「小」になるようにする技術は、「モノを折り曲げて重なる部分を作る」という単純な行為だけではありません。はじめから、そのように設計されていれば、何でも「畳む」ことが可能です。
また、そういうふうに設計されているモノには「折り畳み ナントカ」、「折り畳み式 ナントカ」という名前がつけられているものも多くあります。また、「大」から「小」にする変化を「折る」とは言わず「畳む」と言います。
もともと、重なるようにして「大」から「小」に変化する構造を持つものを、「大」から「小」にするときは「畳む」が活躍します。
「モノの形の空間の量」に重点があるということは、「折る」のように「曲げる」ような動作が伴わず、「力を加えた後の形」に 曲がった部分の無いことがあります。
折り紙で使う「折る」とかかわってくるのは、モノに「曲がった部分がある」場合の「畳む」です。この「畳む」を、曲がった部分ができる「折る」と比較してみます。
曲がった部分のある「畳む」とは、モノに力を加えて「かなり急」な角度で折り曲げて、力を加えた部分が重なるようにし、全体的な形の量を「大」から「小」へ変化させること。 また、畳んだ後に元の形に開き、また畳むという動作が想定内。
レポート : 2011年10月1日
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