めにぅ

主なサンプル折り図の背景の解説集です。
サンプル折り図の背景は、その作品と何かしら繋がっています。「なんで、そがなもんが描かかれとるか分からんな(鳥取弁 : 何故、そんなものが描かれているかわからないな)」。というつぶやきが漏れそうな背景をピックアップしました。そのほか、補足もあります。
何が繋がっているか自力で当てるぞ。という方はスルーしてください。

フレグラントブルーム
フレグラントブルームの背景には香道に関するものが描かれています。フレグラント (香気のある、芳香性のという意味) つながりです。
幾何学の模様のようなものは、組香のひとつ「源氏香 (げんじこう) 」で使われる、香の図です。源氏物語の「桐壺」と「夢の浮橋」を除いた 52 帖が割り当てられています。問題を全部正解すると、記録紙に「玉 (ぎょく) 」と書かれます。
鳥さんが持っている図は「たこ (凧) 」ではなく「蜻蛉 (かげろう) 」です。もうひとつの図は「羽合 (はわい) 」ではなく「常夏 (とこなつ) 」です。
羽合は鳥取県中部に位置した町です。現在は、湯梨浜町 (ゆりはまちょう) 。羽合温泉があります。
沈丁花
度胸がつくカレーの作り方の memo にちょろっと登場する「ローリエ」が沈丁花と繋がっています。 沈丁花は学名を Daphne odora といい、Daphne (ダフネ) は、ギリシャ神話の女神の名前です。
神話の内容は、アポロンとダフネがキューピットに矢を打たれ、アポロンはダフネを求愛し、ダフネは逃げ続けるというお話です。ダフネは最終的に月桂樹に姿を変えます。アポロンが月桂冠を身につけているのは、ダフネを永遠に愛する証だそうです。
マーガレット
参考文献
"第八の圖西洋風の内 まがれ糸正面の圖","第九の圖西洋風の内 まがれ糸後面の圖"「西洋日本束髪独稽古」松本正造 編. 松本正造, 1887.
モザイクボックス
背景に描かれているキマイラはギリシャ神話の生物で、キメラ (chimera) の語源です。
キメラとは生物学で、ひとつの個体に異なった遺伝子型の細胞が共存している状態を言います。似たような現象に「モザイク」があります。モザイクは、遺伝的に異なった部分がひとつの個体にあることです。
モザイク (芸術) モザイク (遺伝学) キメラ」という連想で繋がっています。
星のダンス
内角の求め方に出てくる「玉のい」は、井戸の美称です。あるいは、永井荷風の小説に出てくる私娼街。東京都墨田区東向島にあったそうです。
シャム
矢座 (Sagitta) の恒星のひとつ「α星」を、通称「シャム」と言います。シャム繋がりです。