蛋白なエアアジア
クアラルンプール空港のエアアジアは、今まで利用した空港会社の中で一番「蛋白」ぽかった。
- チェックインがセルフ。
- 受託手荷物を預けるのもセルフ。
人件費削減なんだろうな。
逆に言えばセキュリティチェックに行くまでのすべての工程は「自力で」っちゅうことになる。
セルフチェックインは無事にこなす
セルフチェックインをするのはこれで2度目。1度目は関西国際空港のエアチャイナでやった。
いずれもロッピみたいな機械。
エアアジアも日本語があったが、日本語を押しても画面が反応しないので英語でやった。
おかげで受託手荷物について聞かれている画面をうっかりスルーしそうになった。
チェックインが終わると航空券だけでなく、予約している受託手荷物のタグもニョロニョロと出てきた。
セルフバゲージドロップで新手の天使に遭遇する
セルフバゲージドロップは自分で受託手荷物の重量を量り、ベルトコンベアーに乗っける。
カウンターはずらりと数が多いし、並んでいる人も少なく、列に入ってすぐに自分の番が回ってきた。
よいしょっ。
とカウンターの量りの上にスーツケースを持ち上げる。…が、なかなか持ち上がらない。
これはいつものことだ。
気合がいる。あと、持ち方にコツがある。
うにうにやっていると、隣で荷物を量っていた東南アジア系のお兄さんがスーツケースをひょいと持ち上げて量りの上に載せてくれた。
「Oh, thank you!!」
と言ったが、お兄さんはこちらをちらりとも見ず、隣のカウンターで自分の荷物の手続きに一生懸命そうだった。
見ると、4〜5人くらいの若い男女のグループ。
荷物もかなりある様子。
さてと。
で、どうするんだ??
カウンターには次にタグのバーコードを読み取るように指示が出ている。
備え付けられているバーコードリーダーは、コンビニのレジみたいなんに似ていた。
それを手に取り、指示画面を見ながら、荷物のタグを見比べる。
タグにはバーコードがいっぱい。
!?!?
どのバーコードを読み取るんだ??
次々に表示が変わるその指示画面をガン見していたら、どこからかにゅっと手が伸びてきて、バーコードのひとつを指さした。
見ると、先ほど荷物を持ち上げてくれたお兄さん。
しかし彼の顔は、自分たちの荷物の手続き画面に向けられたままだった。
「Thank you!!」
ありがたく、指さしてもらったそのバーコードを、ピッと読み取った。
さて、次は…。
カウンターの画面には、またタグのバーコードを読み取る指示が。
だから、どのバーコードだよっ!!!
また、指示画面をガン見。
すると、またまたにゅっと手が伸びてきて、今度は下の方のバーコードを指さした。
振り返るとお兄さんが、やはり自分たちの荷物の画面を見たまま。
忙しいんだなぁ。
「Thank you so much!!!」
指さしてもらったバーコードをピッ…
おや?
リーダーが読み取らない。
なんでだ? さっきはちゃんとピッとなったぞ??
カチカチとリーダーのボタンを押し直してみる。
真剣にバーコードにリーダーをかざしてみる。
が、全く反応なし。
どうなってる??
するといきなり伸びてきた手がバーコードリーダを私の手からもぎ取り、ちょっと高い位置からバーコードをあっさりと、ピッ。
終わると無言のままリーダーを返された。
「Th…thank you so much!!!」
すぐにお礼を言ったが、その瞬間にはすでにお兄さんは荷物の手続き画面を見ながら、お隣のお友だちと何か喋っていた。
な、な、な、なんだ!?
彼のこの「助けて当たり前」感は!?!?
助けた後の無頓着さは!?!?
こういう人の助け方もあるんか!?!?!
なんか、
すんげぇ、
かっけぇぇ!!
私の荷物は、そのまま無事に手続き終了。
ベルトコンベアで運ばれていった。
お兄さんたちのグループはまだまだ時間がかかりそうな感じだった。
ちょっと会釈をして立ち去ったが、彼らのグループの誰も私を気にする人はなかった。
まじ、かっけぇ (かっこいい) な。
新手の天使に会ったと思った。