度を超す。という魔法は、いつでも想像もつかない新しい世界を見せてくれます。
今回、度を超したのはまとめ材の紙の長さ。おもいっきし (思いっきり) 長くしてみました。どうなるか、実験です。

作ってみたのは「なじみの形をつないでみる」のコティヨンです。
このモデルに使われているまとめ材の紙をおもいっきし長くしてみます。

コティヨンコティヨン

コティヨン / cotillon

  • © Mio Tsugawa
  • Created : Feb . 2011
  • Parts : 30
  • まとめ材 : 紙 (1:4) / 60 parts
  1. まとめ材の紙です。
    伸びたラーメンよりも長いです。縦横の比率は 1 : 43.6 。

    まとめ材
  2. コティヨンのパーツをつないで行きます。写真は 3 パーツつないだところ。3 パーツつないだところ
  3. どんどんつないでいきます。5 パーツつないだところ
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完成

コティヨン

  • © Mio Tsugawa
  • Created : Feb . 2011
  • Parts : 30
  • まとめ材 : 紙 (1:43.6) / 60 parts

できあがり。ですが、こりゃぁ、一体......。
本体のコティヨンがまとめ材の紙に埋もれてしまって、何がなんだかわかりません。面白すぎて、腹がよじれます。眺めながら、そういやぁ、こういうけむくじゃらの妖怪がいたな。と、頭の中でおかしなライトも光りました。

そのまま飾るのも面白いかと思いましたが、何かに変身しそうな気がしたので、もう少しいじってみました。

投げ出しだった紙の端っこを、斜め向かいの隙間に挟んでみました。長い紙に規則的な方向が出来て、拡張した多面体が姿を現しました。あのけむくじゃらの中にも、幾何的な美しい形が潜んでいたようです。中心部に近づくと、コティヨンを確認することができます。

まとめ材の紙を度を超して長くすると、仕上がった瞬間は本体のくす玉がまとめ材の紙に埋もれてしまい、それが一体何なのか訳が分からなくなって非常におもしろいことがわかりました。「毛羽毛現」に改名しようかと思ったほどです。
しかしながら、雑然とした長い紙に、規則性を取り戻させると多面体の形が浮かび上がります。おそらく、紙を差し込む方向、角度を変えるたりすると、また違った形が現れると思われます。

結果として、まとめ材がかなり主張した作品になりました。メインであるはずのコティヨンが、生け花で言えばまるで花を支える剣山のようです。

「まとめ材がメインのくす玉よりもくす玉っぽく際立つ作品」

これは、くす玉やモジュラー折り紙の新しい表現方法のひとつとして、確立できそうな予感がします。

レポート : 2011年 2月 19日

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