2011年から2013年、ホームページの薬玉調査室を必死で作っていた頃、
「薬玉」という文字を文献に発見すると、とにかくその中身を確認しなくちゃ気がすまなかった。
あるとき「薬玉考(くすだまこう) : 大塚嘉樹著 / 安永九年(1780年成立)」という、いかにも薬玉のことについて詳しく書かれていそうな文献を発見。
こりゃぁー、絶対にチェックせんと!と、気合いが入ったんだな。
ラッキーなことに、随筆文学選集の五巻に活字になっている(古書には活字本の無いものも多い)。
早速、図書館を調べたけど活字本もやたら古いせいか(昭和2年発行)どうやら鳥取県の図書館には無かった。
「非売品」なのらしい。
国立国会図書館にあるのは知っている。複写サービスがあるらしいのだけれど、手続きがやたら面倒。
さらに検索していると、さすがと言うべきか、Amazon に発見。
あんまり奇麗な本じゃないらしいけど、仕方ない。で、手に入れた。
本が届いて、わくわくしながらページをめくると、あれ?
どこかで読んだような?
内容は、何度も何度も何度も読み返して、文章をほぼ暗記・・・できた訳ないけど、まぁそのくらい何度も読み返した「古今要覧稿(ここんようらんこう)」と、とてもよく似ていた。
古今要覧稿は江戸時代後期に成立した類書(百科事典のようなもの)。1821年から42年にかけて編纂。560巻もあるらしい。
実際は古今要覧稿の方が引用文献が多くて内容が充実している。
でも、なんだろうな。私の印象では「薬玉考」をふくらませた感じ。
さらに、薬玉の挿絵がクセモノ。
柱に掛ける部分とか微妙に違うけど、花はサツキが主体とか、糸の流れ方とか、全体的な構図とか、まぁ、そっくり。
と、いうことは。だ。
ひょっとすると、古今要覧稿の「薬玉」の項は、この「薬玉考」を参考にして書かれたのかも。
などと、得意の妄想してしまった。
参考までに「薬玉考」出だしをちょこっと。
「薬玉考(薬玉乃考)」
五月五日 藥玉はもろこしにても 此日 五綵の糸を以て臂にかけて避兵と名づけ 人を瘟疫をやましめざるの兆事となすと荆楚歳時記に見へたり
又風俗通曰 五月五日造百索繋臂一名長命縷一名續命縷一名五色縷一名朱索と見へたり
各々此方のくす玉のこと也抑こなたにて往古より宮中に此もの懸られし事は諸書に見へたり
先延喜式□次第を始として近代年中行事までの荒まし
又源氏枕草子等に見えし證など左に記して勘物となすものなり
長いのでとりあえず、ここまで。
でもきっと、たくさんの人が続きを読んでみたいハズ(←すばらしい思い込み)。
暇なときにでも、全文を「薬玉調査室」にUPしてもいいかも。
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